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9月9日は、重陽(ちょうよう)の節句。中国で陽の数字とされた奇数で一番大きい〝九〟が重なることが由来と言われています。旧暦では菊が咲く頃から〝菊の節句〟と呼ばれ、長寿を願って菊酒を飲んだり、着せ綿といった菊にちなんだ行事も行われたりしていました。また、〝栗の節句〟と呼ばれ栗ご飯を食べる風習も。節句にちなんで、菊の菓子の作り方や花の食べ方、栗おこわについて聞きました。
みのり庵 和みの高野さんに聞いた
「着せ綿」
着せ綿重陽の前夜に菊の花を真綿で包み夜露にしめらせ、菊の香りを含んだ綿で体を拭き不老長寿を願い、重陽の節句に着せ綿をイメージした上生菓子を出すという茶席での風習が生まれました。

材料は練り切りの白とピンク各25㌘、こしあん15㌘。作り方は丸くしたピンクの練り切りを平らに伸ばし、あんを包みます。定規のようなへらで押しながら、菊の花弁に見立てた楕円(だえん)形の模様を均等に入れます。裏ごし器でこした綿のような白い練り切りは花の上に飾り、出来上がり。


同店では9月9日までの販売で、1個280円。
和菓子手作り体験は上生菓子を2個作り、抹茶と一口菓子付き1650円。
9月7〜9日の営業は午前10時半〜午後5時。6~9日は町田東急ツインズイースト1階に出店。
町田東急ツインズイースト1階
住所/町田市中町3の8の5
電話/042-866-6389
自家栽培農園レストラン モナの丘
代表の桑田さんに聞いた 「食用菊の食べ方」
節句では菊の花びらを浮かべた菊酒を飲むそうですが、料理としても食べられる食用菊は、花びらをがくからとり、軽く湯がいて酢、しょうゆ、砂糖を合わせた三杯酢とさっとあえていただくのがお薦め。彩りはもちろん、菊の香りに、シャキシャキした歯ごたえと少し苦みがきいた大人の味です。「花ごと揚げて天ぷらにも」と市村さん。

同施設では、食用菊もってのほかを自家栽培。

例年9月上旬〜中旬に咲き、開花期間中は摘み取りも可。
花はパック詰めで販売。
自家栽培農園&レストラン モナの丘
住所/相模原市南区下溝4390
電話/042-777-8586
町田市小野路宿里山交流館の山崎館長に聞いた
「栗おこわ」
重陽の節句には行事食として栗ご飯を食べる風習があるともいわれます。 同館では地元のクリ農家が育てたクリを、10月頃に販売。9月上旬から早生のクリが出始め、クリの王様とも称される利平栗は9月下旬〜10月半ばが最盛期。そのクリを用いた栗おこわも、例年同時季のイベント等で販売しています。

一晩水に浸けたもち米を蒸し、蒸しあがったおこわに、皮をむいて蒸したクリを加えます。「ゆでるとクリの味がなくなるので、蒸しています」と館長の山崎さん。 今年、イベントの開催は未定ですが「人気の栗おこわを提供できる機会があれば」とのこと。クリは今年も10月頃に販売予定。