お気に入りの本を友人等に薦めたり薦められたりしたことはありませんか。
そんなやり取りを、もっと多くの人と交わしたいと町田市在住の本好きな女性が、セレクトした本を集めて飲食店等に本棚を設置する活動をしています。
町田市在住の金城美由紀さんは、同市内に8カ所、相模原市に1カ所置いています。

常に数冊の本を携帯し時間があれば開き「本が無いと落ち着かない」という読書好き。
読んだ作品をSNSに備忘録として記録し、それを見た人とのやり取りも、思わず楽しんでいました。
ブックカフェをいつか開くという夢のもと「まず、本を通して人とコミュニケーションができれば」という思いが膨らんでいました。
行きつけのカフェ、町田市金森東のONOSOコーヒーの店主に話したところ「うちに本を置いてみれば」と提案され、私物で、お気に入りの小説他、絵本も含め十数冊を小さな自作の本棚に並べることに。
自分の苗字と、気軽に手に取ってほしい意味も込め「きんじょの本棚」のプレートを付け、コーヒーを飲みながら読めるだけでなく、借りることもできます。
1年半経った現在、同店では、店主が新たに本棚を新設してくれて、本も増やしました。
内容は入れ替わるものもありますが、「ランチのあっこちゃん」「マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ」等、食にまつわる本等が並びます。
さらに森野にある美容室ピンナップや、中町にある、なかまちパンに置く等、本棚は広がりを見せています。

緊急事態宣言で公共の図書館が閉まった際に設置店が増え、さまざまな人の心の支えにもなったようです。
各店主からの意見や利用者の声を聞き「本でつながったことを実感し、にやっとしました」。
活動に賛同したリサイクル本を集めるバリューブックスという会社からの提供があったことも大きなはずみに。
来店者の年齢層からか、知らない間にビジネス書等の本が入っている店もあり、思わぬ展開に「店によって個性があって面白いんですよ」と楽しみます。
民間の図書館に勤める傍ら、本の入れ替えに回る日々。
いろいろな偶然が重なり、短期間で活動を広げましたが「まだ着地点は決まっていません。先にやって後から考えるタイプなので」と嬉しそうに本棚を眺めます。
さらに「ここが、本を手に取るきっかけになれば」とも。
設置店等の情報は「きんじょの本棚」より。