島田印房は「所沢プロペ商店街」にある3代続く印章彫刻士の“判子屋”。
現在は2代目の島田太市兵衛さんが長男の健太さんと一緒に営んでいます。

創業者は父の保二さん。
比企郡ときがわ町大附「山王・日枝神社」の神主の息子でしたが、印章彫刻士めざして上京し神田で修業を積みました。
1930(昭和5)年に御徒町で創業。
終戦を迎えた1945年に疎開先だった所沢(現プロペ通りの旧丸井跡)で開店し、1968年に現在の場所に移転しました。
創業当時の店名は、初代の出身に由来した「山王堂」。
移転時に「島田印房」に改名しました。
「印章彫刻職人は、お客様の幸せや喜びに深く関わる商売。はんこづくりは幸せづくり」と話す太市兵衛さん。
はんこは人生の節目、就職・結婚・銀行口座開設・マイホーム購入などの際に自分を証明する大切な道具。
名前の意味や由来、印鑑の用途に思いをはせて彫っています。

太市兵衛さんのもう1つの顔は、娘さんの小学生時代から続けている小学生のバスケットボール部のコーチ。
地域の子どもたちにも人気のおじいちゃんです。
生まれた時から2代目の背中を見て育った3代目健太郎さんは国家資格「一級印章彫刻技能士」を持つ職人。
「電子化が進む現代ですが、印章製作技術を後世にも残したい」と話しています。