東京堂時計店は1892(明治25)年創業。
かつての商業の中心地「銀座通り商店街」に立地し、今では所沢で一番古い時計店となりました。

創業当時、時計は一家に一台あるかないかの贅沢品。
創業者の山崎福五郎さんは東京・中野から所沢へ移り住み、ハイカラな人として知られていました。
店名も福五郎さんが付けたもので、現在、ひ孫の伸さんが継いでいます。

子どもの頃から時計好きの伸さんは、大学卒業後、別業界に就職するも29歳で家業に入り時計職人になりました。
「父親の代は、入学や就職のお祝いに時計を贈ることが多く、高度経済成長期でモノがよく売れる時代だった。今は販売より、修理や復元の仕事が多い。他ではやらない仕事で人に喜ばれたい」と伸さん。

機械式時計のメンテナンスや修理ができる職人が激減している今、伸さんは全国でも貴重な存在。
「時計は持ち主の人生と重なるアイテム」と依頼者の心に寄り添った仕事ぶりが評判を呼び、メーカーや他店で修理を断られた古時計が、伸さんの腕を頼って持ち込まれています。

また、米国に本部を置く古時計の研究を行う「古典時計協会」の東京支部事務局長も務め、機械式時計の歴史や魅力を伝承する活動も行っています。
東京堂時計店
住所/埼玉県所沢市元町28の7(MAP)
電話/04-2922-2871



