「笑顔を増やす」をミッションに掲げ、埼玉で手づくりや仲間づくりの活動をしているコミュニティサークルLO&PE365(ロープサンロクゴ)。
靴下で作ったサルの縫いぐるみを贈って東北を応援する「くつしたモンキープロジェクト」を行っています。

東日本大震災の後、埼玉でいち早く1000人を超える物資回収を行った同団体。
その後「さらに長く皆さんに喜んでいただける被災地応援を」と、一組の靴下からつくるくつしたモンキーの縫いぐるみを被災地に贈るくつしたモンキープロジェクトを、2011年4月にスタートしました。

くつしたモンキーの誕生は、20世紀の初めのアメリカで、物のなかった時代におばあさんが孫のために、おじいさんの干してある靴下から編み出したのが始まりと言われています。
同団体では発足当時からメンバー同士で「かわいい、かわいい!」と作って自慢し合い楽しんでいました。

そして3・11以降、長い被災地支援を模索するなかで「世界で一つだけのユニークで愛情がたっぷり詰まった人形なら、もらった人も楽しい気持ちになるのでは」と、仮設住宅に贈ることが浮かんだそうです。
集まった縫いぐるみを最初に南三陸に届けたのが2012年1月。
以来「2020年まで続けよう」と決意し、毎年現地に届けてきました。
「目標の年を迎え、感慨深いです」と、代表の世古口まりかさん。

これまで4800匹のモンキーを現地の仮設住宅、復興住宅、病院、福祉施設などに届け、モンキーを「社員と一緒」とずっと飾ってくれている店も。
「現地で待ってくれている方がいて、私たちもうれしい」と世古口さん。
毎年12月には伊勢丹浦和店で、集まったモンキーをクリスマスツリーに飾り、今年1月30日には浦和で被災地支援講演会「南三陸町の今とくつしたモンキープロジェクト」を開催。
さまざまな表情のモンキーが飾られた会場で、南三陸町で被災者支援活動「ヒサのナデシコプロジェクト」を続けているピアノ教師・遠藤水華里(えんどう・ゆかり)さんが講演し、震災当日の恐ろしさや避難生活の苦労を振り返りました。

遠藤さんは大切な命やふるさとを失った悲しさの中で今も生きていることを語り、「なくなったものを胸に抱きながら、皆さんとも一緒に生きるという気持ちを込めて」と「ひとつ」などの歌を披露しました。
そして毎年モンキーとともに来るメンバーへ感謝の言葉も。
「みなさんはすごいことをしている。私を生かしている。私たちのために忘れずに作ってくれる労力、それが大切。ずっと来て。ずっと待ってる」
メンバーは、今年は3月14、15日に「南三陸町モンキーツアー」を実施し、モンキーを届ける予定です。