京王相模原線・南大沢駅から徒歩5分。
首都大学東京南大沢キャンパスの南門に向かう階段を上り、左手の遊歩道へ。
桜並木から直接アプローチできる同大91 年館に、『学芸員養成課程展示室』があります。
学芸員資格を取得するための実践的教育施設として運用されており、展示室も教材の一つ。
一般にも公開していて、気軽に立ち寄ることができます。

学芸員とは、博物館や美術館などで働く専門職のこと。
資料の収集・管理のほか、調査・研究、展示企画などの業務にあたります。
学芸員になるには、国家試験を受けて資格を取得する必要がありますが、学芸員養成課程を有する大学で、所定の科目を履修し、単位を修得することで、資格を取得することも可能。
就職に役立つ資格としても人気があります。

首都大学東京の学芸員養成課程は、所属学部に関係なく養成課程を履修が可能。
文系、理系にかかわらず7分野(歴史学・考古学・社会人類学・地学・植物学・動物学・美術)の資料について、その性質や扱い方、保管の仕方などを学ぶことができるのが特徴です。
実践学習の場、一般にも公開
「養成課程では、実務に必要な実践的な学習が必修。
掛け軸の掛け方や土器資料の洗浄方法、植物や昆虫の標本作りのほか、展示企画の考案なども学びます。
展示室は、展示パネルの作成や展示方法の考案、害虫対策や資料保全の学習の場として位置付け。
実習成果展示を開催することもあります」と学芸員養成課程特任助教の加藤早百合さん。

展示室は、一般にも公開しており、アリの標本を顕微鏡で見ることができるコーナーや南大沢キャンパスで発見された桜の新種「ホシザクラ」の標本も展示。
学内の研究資料を体験型、体感型の展示で楽しむことができます。
巨大資料の“丸木舟”来年度の公開目指す
また、2019年7月に行われた、国立科学博物館の実証実験『3万年前の航海徹底再現プロジェクト』で、台湾から与那国島へ渡った“丸木舟”を所蔵。

「舟は、全長約750cm、幅・高さ約60cm、重さ約350kg の丸太をくりぬいた巨大な資料。
状態を最善に保ちながら、屋外で展示できる方法を検討しています。
資料保全は、学芸員にとって大切な業務の一つですので、学習の良い機会。
2020年度中の公開を目指していますので、楽しみにしていてください」と同特任助教の土屋健俊さん