「高齢者が持つ個性や人生経験を生かした紙芝居で人を楽しませ、高齢者自身も輝いて社会参加できたら」と、2015年に創立された「ユニバーサル歌劇団」が、さいたま市の福祉施設等で紙芝居を上演し、笑顔の輪を広げています。

団長の「さやま茶ッぷりん」こと矢部功泰さんは、高校卒業後吉本興業のお笑い芸人を経て役者に転向。蜷川幸雄さんのもとで俳優として活動しました。
蜷川さんが創った高齢者の演劇集団「さいたまゴールドシアター」の活動を間近で見ていた矢部さんは、高齢者の持つ、積み重ねた人生経験から繰り出されるひとことの重みに気づきました。
「同じ『ありがとう』でも、人の心を動かす何かがある。この劇団のすばらしさに打たれました」と振り返ります。

そこで、高齢者がより輝くため、日本で古くから子どもから高齢者までみんなに親しまれ、台詞を覚える必要のない紙芝居が最適だと考えたそうです。
「高齢者が世界に向けて紙芝居で盆栽、漫画、ツール・ド・フランス等さいたま市の魅力を世界に発信できればかっこいいのでは」と、ユニバーサル歌劇団を創立しました。
介護施設職員の経験もある矢部さんは、ユニバーサル歌劇団の紙芝居をさまざまな高齢者施設で上演。これまで最高齢で105歳の劇団員が上演しています。
ワークショップで個性の発掘も
ワークショップを開いて参加者の個性を発掘する活動も。
発声練習、自己紹介、簡単な紙芝居の作成等を通じ、それぞれの個性や得意分野を自然体の中で引き出し、自由な表現活動の第一歩にしています。

また、矢部さんと劇団員とが楽しい紙芝居を上演。
劇団員が得意とする手品等を交えて座を盛り上げ、会場を笑顔でいっぱいにしています。
次回のワークショップ
次回のワークショップは6月3日午後1時半からさいたま市プラザノースで開催。
「どなたでも参加していただけます。お気軽にどうぞ」と矢部さん。
参加費500円。原則60歳以上が対象ですが、若い人も参加可。事前に申し込みを。
また、高齢者施設で上演する紙芝居を見学することもできます。問い合わせは矢部さんへ。